西郷国際特許事務所              SAIGOH PATENT OFFICE
論  評
(第二群)



第1話:「内容証明を勇敢にも(?)、破り捨てた社長」
「知財IQ」を育てよう!

   受け取った内容証明郵便には「貴社が行なっている公共事業の地盤改良工法は、
当社の特許権を侵害するので、即刻、工事を中止されたい」とあった。受取人である下請け会社の
社長は、一瞬 "ゾッ"としたが、カラ元気を絞り出し、一読するなりこの内容証明郵便を
勇敢にも(?)破り捨てた。しかし、この野蛮な行為が、大きな問題を引き起こした。

   ほどなく、同内容の第2の配達証明郵便が2通届いた。元請け会社である大手ゼネコンと、
施主である公共企業体にそれぞれである。しかも「完成部分は侵害であるので取り壊して頂きたい」と、
今回は書いてあった。

   面目を失った元請け会社は激怒し、下請け社長に「工事をすぐにやめろ、そして説明に来い」と命じた。飼い主に見捨てられた飼い犬のように、下請け社長は大いに萎縮した。しかも、工事は止まるは、
リース機械の払いは日毎嵩むはで、心労大で体調を崩した。

   数日があわただしく過ぎ、下請け社長は、何とか解決方をお願い致したい、と知人を通じ当職を
訪れた。権利書類である特許公報を検討すると、権利範囲外であると明確に言える。
これは「特許ゴロ」のやり口か? 聞いてみると、下請け受注が出来なかった腹いせのようである。

  とにかく、取締役の肩書をも持つ元請けの現場監督にアポを取り、説明に赴いた。
納得した現場監督のさらなる要望により、法務部部員にも説明をした。

   その日の午後、下受け社長から「機械が動き出しました!」と電話があった。
泣かんばかりのうれしさで、その声は弾んでいた。ところで、小生は、昨日から寝ていない。
1時間でも1分でも早く、機械を動かしてあげたい。この一心であった。祝杯を挙げ爆睡した。

  さて、このことである。「知財力」と言う新しい言葉を提案したい。「知財IQ」あるいは
「知的財産能力」とでもいうもので、知的財産に関する知識と感覚の鋭さを示す言葉を作ってみた。
「知財力」とは、知財に関する本人の力量を示す言葉である。

   本件の事例の場合も、知財力があれば、無傷で済んだ事件である。知財力があれば、
その後の展開は容易に読めたのである。社長は内容証明をひっつかみ、特許事務所に走れば良かった
だけである。弁理士は戦略を練り、一緒に元請け会社に行こうと言う。
「大丈夫だ。問題ない」と元請けに説明すれば全ては完了する、と言ったはずである。
現に、今回も、事後ではあったが、そのようにして工事再開OKのを得たのである。

   知財力を有すれば、個人や企業の未来を約束する。未来を開く。金銭獲得、夢実現に確実に
利用できる強力な武器が増えることを意味する。いまや知財力は、常識になりつつある。
知的財産の知識は「知ってて損はない」ではなく「知らないと損をする」のである。しかも、知財力がないと、
損をしていてもその事実さえも分からないのである。

   いま、あなたのやるべき事は一つ。出来るだけ早く、知財力をどんどん溜め込むことである。
この知財力を駆使して、身の回りにゴロゴロしている知的財産を探し出し、利用し、夢を実現し、
今度はうれしくてゾッとするほどの人生を楽しもうではないか。 

(本稿は、「東商新聞(東京商工会議所の機関紙)」に、2003年10月5日掲載したものです)




第2話 「〔知財IQ〕で、額縁、大ヒット!」


   自転車で私の事務所によく来ていた町工場の社長が、ある時から外車に乗って来るようになった。

   驚くなかれ、ちょっとした工夫で、毎年、数億円も儲けるようになったのである。

   このアイデアマン社長は、会社を2、3人でやっているのだが、あるとき、近所の人との茶飲み話に
いたく刺激された。

   近所の人が言うには、"ウチのじいちゃん"が70才になって、勲章をもらった。そしたら、お祝いに
知人や友達がおおぜい来てくれる。だが、その人たちは、勲章をもらったことがないので、そこまでは
気が回らないらしく、「勲章を見せてくれ」と言ってくれない。"じいちゃん"は、今か、今かと、勲章を見せたくてウズウズしている。自分から出すわけにもいかないので、フラストレーションがたまりにたまる。
客が帰った後、顔を真っ赤にして『無礼者が!』と怒るのが常だというのだ。

   そこまで聞いて、この社長はピンときた。前回のコラムで提唱した、例の「知財IQ」・「知財力」が
うごめいたのだ。

   ああでもない、こうでもないと試行錯誤を繰り返し、ついにあるものを完成させた。

   通常の形の額縁の左隣に少しスペースを空け、そこに縦長の細い額縁を作った。
その小さな額縁の裏底には厚手のスポンジを敷いたのである。勲章を小さい額に納め、隣の大きな額には
賞状を入れるようにしたのである。

   部屋に堂々と飾っておけるし、どこに勲章をしまったかを忘れて、大騒ぎをすることもなくなる
という効果もある。

   ところでこの額縁の知的財産権取得であるが、少々手こずったが、意匠権も取れ、商標権も取った。
その名も恭(うやうや)しく「叙勲額」。

   春5千人、秋に5千人の叙勲者にダイレクトメールを出すと、当時は、半分以上の人
買ってくれたそうである。しかも驚いたことに、安値だと買ってくれないので、10万円に設定していた。
化粧品と同じ感覚なのである。だが、原価は知れている。額縁はベニヤ板とガラス板だけで出来ている
のであるから。

   さらに、この社長は考えた。そして、また売り込みに成功し、儲けたのである。叙勲祝賀パーティの
引き出物として、記念品や叙勲者名簿まで作ったのである。サービスとして押印する金色の菊花紋と叙勲者名が引き出物に燦然(さんぜん)と輝いているのを見たときは、私は「う〜ん」とうなってしまった。

   このケースのように知的財産は特殊な能力や技術力が必ず必要というものではない。
欲求が満たされない、あるいは困っているような人たちの気持ちを素朴に解決するところに商機がある
ともいえる。

   発明などの知的財産に対する知覚・感覚の鋭さであるところの「知財IQ」は、打ち出の小槌(こづち)
なのである。
(第2話了)




第3話 「金持になる法。この方法でバッチリです」


   金持になるにはどうすればよいか。

   コツコツと働けば金持になれる、と人は言う。しかしこれはウソだ。現に、ほとんどの人がコツコツ
働いているが、芳(かんば)しいようには見えない

   誰かが、自分に好都合になるよう言ったのである。

   例えば、"食った後、すぐに横になるとウシになる"という。(ならば、吉野家の牛丼を食うということは、
ヒトを食うということか!)
   これなどは、封建領主が、その領内の民百姓を、効率よく働かせるためのワル知恵だった、
ということは今では皆知っている。だまされてはいけないのである。

  では、金持になるには、本当は、どうすればよいのか。

   2つの条件を満たせばよい。つまり、競争相手のいない仕事であり、しかも、高収益の上がる仕事
であることである。

   "お化け屋敷だ、近づくな!"、といわれていたが、こっそり入ってみたら、金蔵(かねぐら)だった
ということは珍しくない。

   儲かる場所に皆が近づかないように、デマを飛ばし、防戦これつとめている人達がいる。
いわく、大変な仕事だ(だから、誰もやらないでくれ!)と。

   そこで、皆さんも、金持になりたいなら、今の仕事に見切りをつけて、上に述べた2条件に当てはまる
仕事を探せばよい・・・と申し上げたいが、そうもいかない。

   今の仕事をおいそれとやめることはできないし、効率のいい仕事をすぐに探すのも、そう簡単ではない。

   ところがである、抜群のいい方法がある。この2条件を満たす仕事がある。目の前にある。
それは今のあなたの仕事である。あなたの仕事をリフォームするのだ。当職が提唱してい
"知財IQ"、"知財力"をフル稼働して、改造するのである。

   知的財産制度という衣(ころも)で包んでやる。特許を取るのである。

   特許を取れば、競争相手はいないし、値段も思い通りにつけられる。

   原価が、たった5千円の額縁に、10万の値をつけても、飛ぶように売ることができるのである。

   しかも、今の仕事を"原料"にすることには大きなメリットがある。今まで続けてきた業界だからこそ、
あなたはその道のプロであり、第一人者である。そして、万一の場合にも、大きく踏み外すことはない。

   今までの蓄積こそが財産である。隣の芝生の青さに惑(まど)ってはいけないのである。

   日当りの悪い業界も確かにある。しかし、小生の持論であるが、そんな業界でも、必
日の当たる場所はある。日の当たる場所に、いざってでも行くべきだ。「知財IQ」のライトで
すぐにでも探し出し、その場所を確保すべきである。

   必ず探し出せる!ご健闘を切に祈っている。
(第3話了)

  第4話 「安物を食べて、『旨くなかった』は、当然かもしれません」


   知り合いの中堅会社の社長に会い、氏独特の経営理念を、楽しく聞いた。

   その折「特許は、質よりも絶対に量だ」との持論も聞いた。それも一理ある。数も大きな力であり、賛成できる。

   しかし、「質」は特許等の知財では極めて重要であり、「量」で置き換えることは不可能である。

   更に、調子に乗った社長は「特許は保険だ」と言って、ガハハと笑った。一抹の不安が私の頭をよぎった。その悪い予感が的中し、会社は左前になってしまった。「ガハハ」の迫力は、そのままのスケールで大きな溜め息に変わった。

   攻撃用の性能に長(た)けている武器は、確かに防御性能も高い。防御性能は、一般的に低能力でも効果はあるが、攻撃は守りの堅い敵陣に乗り込んでたたく必要から、防御性能の数倍は必要とされるだろう。

   そして、特許権などの知財権はまさに強力な攻撃力を持つものであり、その力を十分発揮させるように活用すべきである。

   いうなれば、「質」のよい知財は、「できのいい」人材、一騎当千の武者なのである。十分にその能力を引き出し使ってやるのが経営者の仕事である。

   特許を消極的に、単なる防衛手段としてではなく、積極的に、攻撃兵器と取るべきなのである。

   特許があるから、「売るな」と言われなくて済むのではなく、特許があるから「よく売れる」と積極活用するのである。

   そこでであるが、知財にかかる金は高い、と言う声を間々聞く。

   知財にかかる金を、法外に高いものと見る人は、つまりは特許を消極資産と位置づけているからである。唯一の売り物であり未来を開くものだと、積極資産だと位置づける必要がある。

   知財を中途半端に考え、有効利用もしなければ、単に「出願するだけで安心だ」で終わり、大きな「経費」だけが残ったように感じるのは当然である。

   知財費用は、一流料亭が、その料理用の食材にかける「必要費」であり、無くても良い「有益費」ではない。

   つまり、特許も、金の取れるいい質のものを、使えるものを取ろうとすると、手を掛け、かつ数を出すことになるだろうが、そこそこの金はかかるのである。

   単に誰でも作れるものを安く作ることだけを競う時代は終わった。

金の掛かった知財製品を、その金を掛けたことを、製品の性能に転化し、セールスポイントとし、戦うのである。

   つまり、単なる「労力」を売るのではなく、あなたの頭脳である金を掛けて取った「知財力」を売るのである。

   ビジネスは戦争であり、そして確かに攻撃は最大の防御である。

あなたの知財力に裏打ちされた攻撃力ある製品を、市場に撃ち込めば、勝利はあなたの手中にある。
(第4話了)




     第5話 「実用新案制度は全く変わってしまいました」


      「この程度のアイデアでは特許ではムリでしょうから、実用新案(略して「実案」)で出してください」と依頼する方がこの間もおられた。

   私は実案出願をおすすめしていない。

   今まで、特許をちょっと出したことがある人の多くがこのように言う。実案制度をかじり知っているので、却って混乱が起きる。

   しかし、今までの実案制度は死んでしまってない。今ある実案制度は、全く違うものだ。
現在の実案制度は、平成6年度に作られ、単なる受付制度に変わってしまったのである。審査をしないで誰にでもくれることになった。

   特許庁もヒトが悪い。全く違う制度なのに同じ名称を使うので、ほとんどの利用者は、今までのものと同じ様なものだと誤解し、混乱している。実用新案(実案)という名称を使うべきではなかった。

   現行の実案制度では、出願すると半年以内に登録されて、登録番号が付く。

この登録番号が来ると、特許の場合と同じような権利がもらえたものと大喜びする人が多い。しかし、大違いであり、何のいいこともない。

   審査をしていないので、同一内容のものを、多数の人がそれぞれ出願しても、それらの出願が全て登録されてしまう。従って、登録番号をもらっても何の保証もされている訳ではなく、全く安心できないのである。

   また、その存続期間も、特許の場合には出願日から20年だが、実案の場合は出願日から6年である。6年と短いのは、対象となる製品のライフタイムが短縮化しており、これらを簡易に保護するためである。

   そんなわけなので、他の人から、あなたが製造販売している商品等が実案権の侵害であると警告されても慌てる必要は全くない。新しい実案制度のものは単に登録されているだけなので、それが本当に有効なものであるか否かは、特許庁が作成した技術評価書を検討したり、調査してみないと分からない。

   さらに、登録が無効になると、実案権者には損害賠償責任が発生する場合もある。実案権は、何ともみじめな権利に成り下がった。

   権利者に充分な注意義務を課して、権利の濫用を防止するためである。特許権の場合とは大違いである。

   ただ、注意すべきことは、実案権は、現在、2種類のものが併存していることである。一つは、上で説明した平成6年1月1日以後に出願された飾り物の実案権である。だが、もう一つは、それ以前に出願されて登録されたもの、つまり、特許と同様に審査を経て登録された強力な実案権である。

   この旧型の実案権で警告されたときには十分な注意が必要である。特許権と同様な独占排他権であり、特許権と同じ身構えが必要となる。

   そこで、新型の無審査の「実案」ではなく、審査制度中の「特許」の、この審査に耐える「知財力」の詰まったアイデアを生み出すことが、未来を開く賢明な対処法であることが分かる。

(第5話了)


   第6話 「侵害と警告されたら:冷静に分析すれば、逆転も」


   「特許権侵害だ」との警告書を受け取った。驚いた。右往左往した。

   プレスの機械である。真似したつもりはなかったが、結果的に似てきても、それはダメだ。知らなかったでは済まされない。ここが、特許権の、独占排他権のいいところでもある。

   金は出すので使わせて欲しいと、特許権者に頼み込んだが、一蹴された。
小さな会社なので、売り物はこれしかない。これがダメでヤメなければ、一家心中も冗談でなくあり得る。

   なんとかならないか、あぶら汗を流し、青くなって対応を考えた。ため息だけが出る。焦って、だんだん思考力も鈍ってきた。また、ため息が出た。

   こんなときどうするんだっけ。顧問弁理士のS先生の言葉を反芻(はんすう)してみた。
確か、3段階で考えるんだったな。

   1段目、まず紙と鉛筆を出して、現状はどうなっているかを何でも書き出すんだったな。「頭の中でなく、紙の上に書き出す」のがポイントだと言ってたな。

   今回は、「警告書が来て侵害だといっている。やめろといっている。」しかし、会社をやめろとは言ってないな。ま、当然だな。

   2段目は、最悪の場合どうなるかを考え、「よし!」とそれを受け入れて、覚悟を決めるんだったな。

   よし、最悪は何だ。「万一のときは、やめればいいんだな」。万に一つも逮捕には来ないし、まさか、殺しにも来るわけなんかない。

   そして、やめたところで、すぐに会社が潰れるわけでもない。弱気になって、びびっていたな。
会社も、他の仕事で当分しのげるかもしれない。

   それにだいいち、まだ侵害だと決まったわけじゃない。或いは、敵の権利にはキズがあって、無効にできるかもしれない。

   次は3段目だ。3段目は、覚悟をすると、落ち着くので、クールな頭でいい方法をいろいろ考え出すんだったな。ほお、確かに落ち着いてきた。

   矢でも鉄砲でも持ってこい。
   おお、しかも、もう"無効"まで考えていたか。いつの間にか、3段目に入っていたな。

   ところで、センセの言うように、相手の発明とウチの製品の違うところを見てみよう。ウン、冷静第一だ。いけそうで、ゾクゾクしてきたぞ。

   このプレスの手の平に当たる部分がちがう。ウチのは、プレスするときに、手の平部分がひしゃげないように、手の甲側に力骨(リブ)を放射状に入れる様にしたんだっけ。

   特許がとれるかもしれないぞ。まだこの製品を販売していないんだから。よし、いいところに気づいた。早速、センセに相談しよう・・・。

   事務所に行ったら、センセは言ったな。「おおいいところに気づいた。意匠が取れる。特許はムリだが、まさに意匠にうってつけだ」と言ったな。そして、意匠を出した。よーし、取れた!
憎っき特許権者に言ってやった。

   「貴社の製品は使用に当たり、プレス先端部に取り付けた押圧板が、プレス圧でひしゃげるので、リブをつけざるを得なくなる。そのようにすると当社の意匠に似てくることになる。どの様に致すつもりであるか」と。

   相手は逆に焦ったな。天国から地獄に真っ逆さまとはこのことだ。高度差が大きいだけに、ダメージはでかい。大逆転とはこのことだ。やったあ!
   
       *

   結局、両者は、互いの特許権、意匠権の実施権をクロスライセンスし、自由に実施しようと合意し、メデタシ、メデタシとなった。

   「久しぶりの朝寝朝酒朝湯でこの世の春を謳歌しました」、との社長からの報告とあふれるばかりの礼を、悪戦苦闘中の小生は事務所でうれしく聞いた。
以上


    第7話 「商標は無休無言のセールスマン」


   日本人が外国で特許や商標などの知財権をとることができる。その場合は、外国の代理人に頼む必要がある。その国の特許庁が、自国内の連絡場所を要求するからである。特許書類の簡易確実なやりとりを目的にしてのことである。その為、日本の弁理士は、ほとんどの外国に現地代理人としての友人弁理士を持っている。

   この間、外国商標をとって欲しいとの顧問会社からの依頼を受けた。早速、その東南アジアの一国の現地代理人に連絡を取った。

   受け取った返事の手紙を見て驚いた。こともあろうに、当方の依頼事件のリファレンス番号(事件の識別番号)として「JAP−1」とあったのだ。

   おい、おい。「JAP」とは何事か。いうまでもなくジャップとは、書くのも口惜しいが、日本の蔑称(べっしょう)である。

   我々は言葉の専門家でもあろうのに、その「知財IQ」以前の人間の低さにいっぺんに熱が冷めた。その後、おつき合いを解消した。

   この事件のように、驚きは、ある一種の喚起作用がある。

   この驚きの喚起作用を利用して、商品をアピールし、販売増を実現することに商標を活用できる。

   いわく、靴下の「通勤快足」、マッサージ器の「もみもみ」。これらの商標で、売り上げが劇的に上がったという。

   ほとんどの商標は、心地良い驚きを活用しており、上述のジャップのような邪悪な驚きを使うものはないく、全く逆効果になる。

   我が子に「悪魔」と名付けた親がいたが、何だろう。

   ところがである。「どろぼう」を商標に使ったユニークな会社ある。ただ、その頭に言葉をそえて、「肉どろぼう」、「麺どろぼう」とやった。

   ユーモアたっぷりで、よろしい。醤油、タレなどの調味料を製造している会社で、大当たりになった。

   商標は、使い方によっては、「無休のセールスマン」ともいえる販売効果を上げることが出来るのである。

   この商標権であるが、永久権といえる。10年ごとの更新だが、それを繰り返せばよい。

   また、商標は造語、つまり作った言葉も多いが、普通名詞も当然にとれる。

   造語としては、「SONY」(正式英語は、SONNY(坊や))、普通名詞としてコンピュータに「アップル」などがある。

   注意すべきは、「内容表示」に該当するものはとれない。牛肉の缶詰に、牛のマークの商標はダメである。その中身である牛を意味するので、皆が使いたいので、独占させられないのである。

   また、牛のマークの商標を、鶏肉の缶詰にも使えない。牛肉の缶詰と間違えるからである。「品質誤認」が生じるのである。

   なお、商標権侵害には刑事罰があり、5年の懲役刑が用意されている。しかも、特許権と違い、誰でもが、捕まえてくれということができるいわゆる「非親告罪」である。これは、商標が我々大衆の近くで使われ影響が大きいからである。

   「無休無言のセールスマン」をあなたの「知財力」で活用し、今後の益々の御発展を願うものである。
以上




  
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